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『キラリティ』のデザイン・装丁は、ブックデザインなどを中心に活躍されているデザイナー、宮一紀さんに手掛けて頂きました。宮さんの創意工夫と、制作をしてくれた円盤の心意気により、とても手の込んだ、美しく面白いデザインになっています。こんなCDは世界に一つだけ!だと思われるので、どんな雰囲気か簡単に紹介したいと思います。紙の質感などを含め、実際に手に取ってみるとその魅力が一層わかると思いますので、ぜひ現物をたくさんの人に見て頂きたいです。

 

まず表ジャケット。
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一面が雪に覆われた墓地で花束を持って歩く女性の後ろ姿、が表ジャケットです。この写真はdisc2の「あなたの海にあらまほしき風」に対応している写真です。 ちなみに撮影は田中。2011年3月17日にY県で撮った写真です。

 

続いて裏ジャケット。

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裏ジャケットの写真も撮影は田中。2011年1月1日の未明、長野県の山中にある小さな神社で撮った写真です。新しい年を迎えて、前の年のお札やダルマなどを焚き火で燃やしているところ。大きな影になっているのは焚き火を調整している係の人です。炎が大きく燃え上がったところを写したのですが、この人が燃えているわけではありません。こちらはdisc1の「窓」に対応した写真です。

 

続いてジャケットを開いたところです。

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こんな感じ。実はこのジャケット、デパートの包装紙のような薄い紙で出来ており、さらに本のカヴァーのように取り外しが可能になっています。繊細な造りになっているので、末永く大事に扱ってもらえると嬉しいです 笑。紙ジャケットのCDというのは色々ありますが、こういう造りのものはなかなか珍しいのではないでしょうか。

 

カヴァーを外すと、灰色のボール紙で出来た本体が現れます。

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こんな感じ。ボール紙の台紙はシンプルなデザインです。表はバンドとアルバムの名前、裏には収録曲と参加者・制作者のクレジット。このタイトルの字のフォント、なんていうんだっけ…宮さんに教わったのですが忘れてしまいました、。でもカッコいいですよね、。

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で、中を開けるとまずこの面が現れます。

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各ディスク・各曲に参加している演奏者の詳細なクレジットです。曲によって演奏メンバーや使用楽器が少しずつ異なっています。左側がdisc2、右側がdisc1になっています。

 

さらに左右に開くと、

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このCD制作時のしゃしくえのメンバー4人のソロ写真がドーンと出るようになっています。左から、大福(ヴァイオリン)、田中(ギター)、山本1(ドラム)、山本2(ピアノ)。たまに言っておりますが山本2人のあいだには血縁関係とかは全く無いです。

 

さらにもう1回開けます。

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メンバーの集合写真の他、アルバムの内容とリンクしたモノローグ(短い文章)、写真などのアートワークが現れます。

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一番右のページはdisc1のモノローグです。一番左にあるのはdisc2のモノローグのページ。モノローグや写真などがアルバム内容とどのようにリンクしているか、少しでも感じとってもらえたら嬉しいです。が、そんなに気にしないでもらっても大丈夫だと思います。

 

もう一段階開いたら、やっと全開です。

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これで全開です。やっとディスクが出てきます。白地に載っている細かい文字が歌詞です。右半分がdisc1、左半分がdisc2の歌詞です。左右が完全な対称形になっていない点に、キラリティ=掌性というコンセプトが軽やかに表現されています。 長さを測ってみたら、縦が最長57cm、横が最長97cmでした。買って頂いた方にはぜひ一度、明るい場所で全開にしてみてもらいたいです。畳み方が分からなくなってしまったらこの記事を逆に辿ってみてください 笑。メンバー4人が並ぶように畳んでもらえればOKです。紙を開いたり畳んだりすることで姿が広がってゆく、空間的・立体的なデザインになっています。

 

ディスクは剥き出しの状態で入っており、折り畳んだ歌詞カードで包んで収納するようになっています。

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剥き出しのCDが並ぶデザインが綺麗かつ面白い、と考えてこのような仕様になっているのですが、保管環境によってはCDが傷つきやすいかも知れません。申し訳ないのですが、不安な方は、不織布やビニールのケースを用意して頂くか、各自で丁寧に扱って頂けたら幸甚でございます。

 

2枚並んだ盤面。

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disc1「窓」

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disc2「あなたの海にあらまほしき風」

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たびたび物議を醸すメンバー集合写真。この写真の中にもアルバムの内容に対応した様々な小物が写り込んでいます。

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そしてアートワークの中に紛れ込む謎の人物。

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正体は「亀井」という人物で、実は「しゃしくえ」というバンド名の産みの親であるとともに、「キラリティ」という言葉を田中に教えてくれた超重要人物でもあります。このホームページのリンクから亀井の非常に面白いブログに飛べますが、特に見なくても大丈夫です。本人も特に見てもらわなくても大丈夫だと思っていると思います。

 

最後に、デザイン・装丁を手掛けてくださった宮さんと、2014年7月20日の円盤での発売記念イヴェントの日に撮った写真。 左から、大福(ヴァイオリン)、田中(ギター)、田口さん(円盤)、宮さんです。ピアノの山本はこの時彼女を駅に送りに行ってたとかで居ませんでした。ちなみに田中が持っているのはマスタリングを手掛けてくださったAMEPHONEさんのマスターピースなレコード、『Retrospective』。

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…といった魅惑のCDデザイン・装丁になっております。 音楽は勿論、CD・アルバムという物体として、隅々まで楽しんでもらえる造りになっていると思いますので、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。そして末永く大事に持っていて頂けたら幸甚でございます。

 

 

キラリティ